マレーシアにおける新型インフルエンザ感染確認情報(平成22年8月16日現在)
在ペナン日本国総領事館
1.新型インフルエンザの流行状況
(1)2010年8月10日(日本時間),世界保健機関(WHO)は,専門家による緊急委員会を開催した結果,新型イ
ンフルエンザ(A/H1N1)の現在の流行段階は,パンデミック警戒レベル「フェーズ6」から「ポストパンデミック」期に
移行した旨発表しました。WHOによれば本発表は,新型インフルエンザ(A/H1N1)ウイルスの消失を意味するも
のではなく,同ウイルスは季節性インフルエンザと同様の動向となりつつあり,今後もしばらく存在し続けることが
予想されるとのことです。なお,ニュージーランドやインドなど一部の国では引き続き同ウイルスの流行が見られ
るものの,世界的にはインフルエンザシーズン以外には同ウイルスの流行が見られず,感染力は季節性と同程
度であること,また,多くの国から季節性インフルエンザの流行期と同様に,複数のインフルエンザウイルスの混
在が報告されているとのことです。WHOは今後も引き続き警戒を続けることが重要であるとし,「ポストパンデミッ
ク」期間においても,引き続き流行状況の把握,ワクチン接種,医療提供を推奨しています。
WHOは、2010年8月1日現在,全世界の死亡者は少なくとも18,449人と発表しています。しかしながら,
2009年7月16日のWHOによる、「全ての国・地域の確定症例数の公表取りやめ、感染が継続している加盟国から
の感染確定症例数の報告を今後は求めない」との方針,及び,検査を受けず、またインフルエンザ関連と診断さ
れない死亡者も多いことから、これは実際の死亡者数よりも少ないとしています。なお,WHOが公表している
WHO地域事務局別死亡者数は以下のとおりです。
WHOアフリカ地域(AFRO) 168人
WHO米州地域(PAHO) 少なくとも8,533人
WHO東地中海地域(EMRO) 1,019人
WHO欧州地域(EURO) 少なくとも4,879人
WHO南東アジア地域(SEARO) 1,992人
WHO西太平洋地域(WPRO) 1,858人
合計 少なくとも18,449人
詳細については,以下の地域事務局ホームページを御確認ください。
WHOアフリカ地域(AFRO):
http://www.afro.who.int/index.php?option=com_docman&Itemid=2680
WHO米州地域(PAHO)
http://new.paho.org/hq/index.php?option=com_content&task=blogcategory&id=805&Itemid=569
WHO東地中海地域(EMRO)
http://www.emro.who.int/csr/h1n1/h1n1_update.htm
WHO欧州地域(EURO)
http://www.euro.who.int/en/what-we-do/health-topics/diseases-and-conditions/influenza/pandemic-h1n1-2009
WHO南東アジア地域(SEARO)
http://www.searo.who.int/en/Section10/Section2562.htm
WHO西太平洋地域(WPRO)
http://www.wpro.who.int/health_topics/h1n1/
2.マレーシアでの感染状況
マレーシアでは、2009年7月23日にマレーシア初の新型インフルエンザ感染者の死亡が発表され、以降、
2009年7月から9月にかけて累計77人の死亡者が報告されました。9月19日以降、新たな死亡例の報告はあり
ませんでしたが、2010年に入って再び患者数の増加がみられ、糖尿病や喘息、妊娠中などハイリスク要因を有
している者が新型インフルエンザに感染して症状が悪化し死亡する例が数件報告されています。マレーシア保健
省によれば、新型インフルエンザ発生時からの感染者数累計は、2010年8月11日時点で15,520人で、新型
インフルエンザを直接の死因とする死亡者数累計は92人となっています。現在もペナン州、ペラ州、セランゴー
ル州などマレー半島各地で集団感染が報告されています。
3.マレーシア政府の対応
(1)マレーシアでは依然、新型インフルエンザウイルスの活動が活発で感染がみられることから、マレーシア保
健省は、引き続き警戒を緩めることなく、予防措置をとるようよびかけています。
(2)マレーシア保健省は、保健省ウェブサイト:http://www.moh.gov.myまたはhttp://h1n1.moh.gov.myにて最新
情報を提供しています。
4.在留邦人の皆さんへ
(1)マレーシアに滞在される方は、WHOやマレーシア保健省発表の情報にも留意しつつ、感染防止策(後述)を
徹底するとともに、感染が疑われた場合には、①最寄りの医療機関で受診、②在ペナン日本国総領事館へのご
連絡をお願いします。なお、新型インフルエンザに罹患していることが確認されて入院となった場合に備え、家族
や友人、総領事館との連絡に使えるよう、携帯電話などの連絡手段の確保に努めることをお勧めします。
◇ 在ペナン日本国総領事館管轄州内における新型インフルエンザ対応の政府指定医療機関
(http://www.penang.my.emb-japan.go.jp/image/security_penang/Shingata_influenza_shitei_byouin(090506).pdf)
(2)在ペナン総領事館では、新型インフルエンザ対策本部を立ち上げ、情報収集、発信の強化に努めています。
(3)マレーシアにある私立医療機関では、新型インフルエンザや季節性インフルエンザに予防効果のあるワクチ
ン接種が可能となっており、外国人も接種を受けられます。接種を希望される方は、各医療機関にお問い合わせ下さい。
(4)日本に帰国の折にワクチン接種を希望される方は、各自治体(市町村。または都道府県に設置されている新
型インフルエンザ相談窓口)、または医療機関にご照会下さい。
5.新型インフルエンザ(A/H1N1)の症状
新型インフルエンザとは、新たにヒトからヒトへ感染する能力を有することとなったウイルスを病原体とするイン
フルエンザであって、一般に人類が免疫を獲得していないことから、大規模かつ急速なまん延により人類の生命
及び健康に重大な影響を与えるおそれがあると認められるものをいいます。
今般、メキシコや米国等で感染が確認されたインフルエンザ(A/H1N1)は、「感染症の予防及び感染症の患者
に対する法律」第6条7号に規定する新型インフルエンザに位置づけられました。
新型インフルエンザ(A/H1N1)の症状は、突然の高熱、咳、咽頭痛、倦怠感に加えて、鼻汁・鼻閉、頭痛等
であり季節性インフルエンザと類似しているといわれています。ただし、季節性インフルエンザに比べて、下痢や
嘔吐が多い可能性も指摘されています。
6.感染防止策
○ こまめに手洗いやうがいを行う。
手洗いは、外出後に行うだけではなく、可能な限り、こまめに行う。流水と石けんを使って最低15秒以上行い、
洗った後は清潔なタオル等で水を十分に拭き取る。
○ ウイルスは粘膜を介して感染するので、口、鼻、目などの粘膜部分に手で触れない。
○ 咳や発熱などの症状のある人に近づかない。人混みの多い場所に行かない。
マスクは、咳やくしゃみによる飛沫及びそれらに含まれるウイルス等病原体の飛散をかなり減少させることが
期待で きるため、インフルエンザ様の症状がある方がやむを得ず外出する場合は、飛沫を防ぐために、混み
合った場所( 特に屋内や乗り物など 換気が不十分で閉鎖的な場所)に入るときには着用する。
○ 発熱や咳などインフルエンザと似た症状がみられた場合には、現地の医療機関を受診する(ただし、国・地域
によ って状況が異なりますので、渡航・滞在先の公館等に御確認ください)。
7.関連リンクなど
(問い合わせ先)
○外務省領事局政策課
電話:(代表)03-3580-3311 (内線)2850
○外務省領事局海外邦人安全課
電話:(代表)03-3580-3311 (内線)5140
○外務省海外安全相談センター
電話:(代表)03-3580-3311 (内線)2902
○ 外務省海外安全ホームページ:http://www.anzen.mofa.go.jp/
(携帯版) :http://www.anzen.mofa.go.jp/i/
(関連ホームページ)
○厚生労働省ホームページ(新型インフルエンザ対策関連情報)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/index.html
○世界保健機関(WHO)ホームページ(新型インフルエンザ関連)
http://www.who.int/csr/disease/swineflu/en/ (英語)
○マレーシア保健省ホームページ
http://www.moh.gov.my/MohPortal/index.jsp?lang=en (英語)
○CDC(米国疾病予防対策センター)
http://www.cdc.gov/h1n1flu/ (英語)
○農林水産省ホームページ(新型インフルエンザ関連情報)
http://www.maff.go.jp/j/zyukyu/anpo/buta.html
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