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マレーシアにおける新型インフルエンザ感染確認情報(平成22年4月9日現在)
在ペナン日本国総領事館
◇世界保健機関(WHO)発表によれば、マレーシアにおける新型インフルエンザ感染者の死亡は、2010年4月5日時点で累計78名である。2009年9月以降、感染拡大は沈静化の様相であったが、2010年に入って患者数は増加傾向にあり、糖尿病、喘息、妊娠などのハイリスク要因を有した者で新型インフルエンザに感染し死亡した例が数件報告されている。
◇3月下旬より、ケダ州、クランタン州、ペラ州、セランゴール州、マラッカ州、トレンガヌ州、パハン州などマレーシア全土で集団感染が確認されている。マレーシア政府は、警戒を緩めることなく感染予防策をとるよう、国民に注意を促している。
◇マレーシアでは優先接種対象者への新型インフルエンザ・ワクチンの接種が開始された。ただし、ワクチン量に限りがあるため、外国人については、指定医療機関の医師が必要と判断した場合を除き、原則として対象外である。
1.マレーシアでの感染状況 (1)マレーシアでは、2009年7月23日にマレーシア初の新型インフルエンザ感染者の死亡が発表され、以降、7月から9月にかけて累計77名の死亡者が報告されました。9月19日以降、新たな死亡例の報告はありませんでしたが、2010年に入って徐々に患者数は増加する傾向にあります。最近では、糖尿病や喘息、妊娠中などハイリスク要因を有している者が新型インフルエンザに感染して症状が悪化し死亡する例が数件報告されています。
(2)マラッカ州、セランゴール州、パハン州、トレンガヌ州、ケダ州、クランタン州、ペラ州などで集団感染が報告されています。 (3)世界保健機関(WHO)によれば、4月5日現在、マレーシアにおける死亡数は累計78名となっています。また、2009年4月からのマレーシアにおける新型インフルエンザ感染者数(累計)は、2010年4月1日時点で12,688となっています(マレーシア保健省発表)。
2.マレーシア政府の対応 (1)マレーシア保健省は、集団感染が増加している状況を踏まえ、感染予防措置をとるよう勧めています。具体的には、(イ)手洗いを励行する、(ロ)咳やくしゃみをするときには口をハンカチやティッシュで覆うなど正しい咳エチケットを励行する、(ハ)熱、咳、喉の痛みなどの症状があるときにはマスクを着用し、人混みを避ける、(ニ)新型インフルエンザ感染者やインフルエンザ様の症状を示している者とのコンタクトを避ける、(ホ)バランスのとれた食事、適度な運動など健康的なライフスタイルを実践する、などの措置をとるよう勧めています。また、学校では、インフルエンザ様の症状がある児童生徒は完全に回復するまで登校を控えるよう、よびかけています。
(2)また、現在、ハイリスク要因(妊娠、腎不全、慢性疾患、病的肥満等)を有する者に対して全国104の指定医療機関にてワクチンの優先接種を行っています。ハイリスク要因を有する者については、ワクチン接種を行うとともに、インフルエンザ様の症状が現れた場合には直ちに医療機関を受診するよう、勧めています。
(3)マレーシア保健省は、保健省ウェブサイト:http://www.moh.gov.myまたはhttp://h1n1.moh.gov.myにて最新情報を提供しています。
3.在留邦人の皆さんへ (1)外務省では、新型インフルエンザA(H1N1)感染例が確認された国(マレーシアを含む)を対象に、感染症危険情報(十分注意)を発出しています。マレーシアに滞在される方は、WHOやマレーシア保健省発表の情報にも留意しつつ、感染防止策(後述)を徹底するとともに、感染が疑われた場合には、
① 最寄りの医療機関で受診 ② 在ペナン日本国総領事館へのご連絡 をお願いします。 なお、新型インフルエンザに罹患していることが確認されて入院となった場合に備え、家族や友人、総領事館との連絡に使えるよう、携帯電話などの連絡手段の確保に努めることをお勧めします。
◇ 在ペナン日本国総領事館管轄州内における新型インフルエンザ対応の政府指定医療機関 (http://www.penang.my.emb-japan.go.jp/shingata_influenza_shitei_byouin.pdf)
(2)在ペナン総領事館では、新型インフルエンザ対策本部を立ち上げ、情報収集、発信の強化に努めています。 (3)日本に帰国の折にワクチン接種を希望される方は、各自治体(市町村。または都道府県に設置されている新型インフルエンザ相談窓口)、または医療機関にご照会下さい。
4.世界における新型インフルエンザ感染状況 2009年6月12日、世界保健機関(WHO)は、現在の多くの国における感染の客観的状況と専門家の評価から、新型インフルエンザのパンデミック警戒レベルをフェーズ5から6に引き上げました。
外務省は、これまで新型インフルエンザの感染が確認された国や地域に対して別途、「感染症危険情報」を発出しています。世界的感染拡大に鑑み、今後、海外に渡航を予定されている方、及び既に滞在されている方は、渡航・滞在先の感染状況及びWHOの情報等最新情報を入手し、十分注意の上、感染防止に努めるとともに、感染が疑われた場合には速やかに医療機関で受診してください。2010年4月5日現在、感染が確認された国・地域は177カ国3地域です。(7月16日、WHOは、全ての国・地域の確定症例数の公表は取りやめ、感染が継続している加盟国に従来求めていた感染確定症例数の報告を今後は求めないとの方針を示しました。2010年3月28日付でWHOは全世界の死亡者数は少なくとも17,483人と発表していますが、検査されず、またインフルエンザ関連と診断されない死亡者も多いため、実際の死亡者数よりも少ないとしています。なお、日本、米国、英国、アルゼンチン、サウジアラビア、シンガポール、ボリビアなど既に感染者の全数検査をとりやめている国・地域もあります。)
●マレーシア周辺国・地域の新型インフルエンザ感染状況(2010年4月5日現在)(括弧内は、各国地域の当局等が最後に公表した感染者数及び死亡者数)
オーストラリア(37,686人 内191人死亡)、中国(含香港、マカオ)(127,427人、内796人死亡)、タイ(35,975人
内219人死亡)、フィリピン(1,709人 内1人死亡)、ニュージーランド(3,281人、内21人死亡)、シンガポール(1,055人、内16人死亡)、ベトナム(11,202人、内58人死亡)、ブルネイ(1,170人、内1人死亡)、インドネシア(1,129人、内10人死亡)、カンボジア(562人、内6人死亡)、ラオス(297人、内2人死亡)、インド(30,197人、内1,453人死亡)、台湾(1,280人、内35人死亡)
5.新型インフルエンザの症状・留意点 動物のインフルエンザウイルスがヒトの体内で増えることができるように変化し、継続的にヒトからヒトの感染がみられるようになったもので、このウイルスが感染して起こる疾患を新型インフルエンザといいます。
今般、メキシコや米国等で感染が確認された豚インフルエンザ(H1N1亜型)は、「感染症の予防及び感染症の患者に対する法律」第6条7号に規定する新型インフルエンザに位置づけられたところです。
症状は、発熱、倦怠感、食欲不振、咳など、通常のインフルエンザと同様の症状があらわれます。また、鼻水、咽頭痛、吐気、嘔吐や下痢などの症状を訴える患者もいます。
WHOでは、新型インフルエンザの感染者の圧倒的多数は軽症であり、早期に回復していること、及び世界的には死者数は少なく、今後重症・死亡例の急増はない見通しを伝えつつ、引き続き渡航制限は推奨しないとしています。しかしながら、途上国における更なる感染拡大が懸念されるほか、30歳代から50歳代の方々、基礎的疾患を持つ方及び妊娠中の女性が感染すると重症化する場合があるとも指摘していますので、感染防止に努めて下さい。
6.感染防止策 ○ 十分な水・食糧の備蓄を行い、不要不急の外出は控える。 ○ 外出する際は人混みを避ける。また、咳やくしゃみ等による感染を防ぐため、マスクを着用する。
○ 積極的に手洗いやうがいを行う。 ○ ウイルスは粘膜を介して感染するので、口、鼻、目などの粘膜部分に手で触れない。 ○ 発熱や咳などインフルエンザと似た症状がみられた場合には、現地の医療機関を受診する。
7.関連リンクなど (問い合わせ先)
○外務省領事局政策課 電話:(代表)03-3580-3311 (内線)5374 ○外務省領事局海外邦人安全課 電話:(代表)03-3580-3311
(内線)5140 ○外務省海外安全相談センター 電話:(代表)03-3580-3311 (内線)2902 ○外務省海外安全ホームページ:http://www.anzen.mofa.go.jp/
(関連ホームページ) ○厚生労働省ホームページ(新型インフルエンザ対策関連情報) http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/index.html
○世界保健機関(WHO)ホームページ(新型インフルエンザ関連) http://www.who.int/csr/disease/swineflu/en/
(英語) ○マレーシア保健省ホームページ http://www.moh.gov.my/MohPortal/index.jsp?lang=en
(英語) ○CDC(米国疾病予防対策センター) http://www.cdc.gov/h1n1flu/ (英語) ○農林水産省ホームページ(新型インフルエンザ関連情報)
http://www.maff.go.jp/j/zyukyu/anpo/buta.html
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