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海外安全対策情報(平成28年10月~12月)
 
1.治安情勢及び一般犯罪の傾向
 
 (1) マレーシア国内における状況
      マレーシア国内における2015年中の犯罪発生件数(知能犯罪及び薬物関連犯罪を除く。)  は、11万5,545件であり、前年比10.1%減となっているものの、殺人や強盗、強姦事件といった凶悪事件は依然高い水準で推移しております。2015年における日本とマレーシアにおける凶悪犯罪発生率を比較すると殺人事件は約2.2倍、強盗事件で約23.2倍、強姦事件で約7.2倍とマレーシアの方が非常に高くなっています。



    (2) 当館管轄区域の状況
       当館管轄6州における2015年中の犯罪発生総件数は
 
   ペナン州  6,698件(前年比 10.6%減)
  ケダ州 7,817件(前年比  2.6%減)
  ペラ州 6,228件(前年比  9.2%減)
  トレンガヌ州 2,659件(前年比 17.2%減)
  クランタン州 5,031件(前年比 10.2%減)
  ペルリス州    741件(前年比  9.0%減)
  となっています。
   警察による継続した犯罪対策(パトロール強化、検問実施等)の強化により、全体的な犯罪統  計数は、大幅に減少しているものの、当館管轄区域北部6州における凶悪犯罪の発生状況は、殺人132件(前年比2.3%減)、強盗2,554件(前年比11.9%減)、強姦694件(前年比17.6%減)で、依然として高い水準で推移しており、防犯対策には相当の注意が必要です。
   
 
2.邦人犯罪被害の状況
    当館管轄内で2016年第3四半期中(10~12月)、邦人被害にかかる一般犯罪被害については、
   
 
・ 空き巣による被害    2件
・ 置き引きによる被害    1件
・ 強盗による被害   1件
・ インターネットを介した詐欺   1件
  の届出を受理しています。この事例についてご紹介致します。
   
       【事例】 置引き事件の被害(ペナン州パダンポロ)
       11月12日午後2時30分頃から午後5時頃の間に、ペナン地区のパダンポロ(ポログランド)において邦人男性が置引きの被害に遭われています。被害の状況ですが、同場所で多くの日本人が集まってスポーツをしている最中に、傍らにおいていた鞄(現金、クレジットカード、キャッシュカード、携帯電話が在中))を盗まれています。
   
      【事例】 強盗による被害(ペナン州)
     12月下旬の夕方頃、ペナン州ペシャラン・ガーニー地区の路上において、日本人が被害に遭った強盗傷害事件が発生しています。
   
   
3.テロ・爆弾事件発生状況
     平成28年6月28日深夜、クアラルンプール郊外プチョン地区で、オープンカフェスタイルのレストランバーで発生した手榴弾投てき事件(8人が重軽傷)について、マレーシア国家警察は7月に入り、ISIL関係者による初めてのテロ事件であったことを認めました。本事件に関与した者は、8月上旬までに実施された国家警察による数回の摘発により、全員逮捕されています。

    一方、8月31日の独立記念日直前には、同記念日を捉えたテロ事件を企図していたISIL関係者3人が逮捕され、拳銃や手榴弾が押収されました。9月以降も、外国人を含む多数のISIL関係者等が逮捕され、数人は強制送還されています。

     この様な状況下、マレーシア国家警察は、国内主要交通機関や大規模商業施設、観光地等における警察・軍による共同パトロールや検問を行うとともに、ISILをはじめとする各種テロ組織の取締りを進め、関係者の摘発とテロの未然防止に努めています。

   一方で、マレーシア各地の観光地や宗教施設、欧米人が多数集まる大規模商業施設やナイトクラブ等では、テロ事件に遭遇する可能性があることを認識し、情勢によってはそのような場所に近づかず、また、万一事件に巻き込まれた場合を想定し、脱出経路について事前検討を行うなどのリスクを考慮した行動を取ることが求められます。

※ オープンカフェスタイルの店舗では、爆発事件を始め銃乱射や刃物による殺傷事件が発生し
  た場合、身を隠したり犯人の接近を阻止することが極めて困難です。
   
   
4.誘拐・脅迫事件発生状況
  当館管内において、日本人被害の事件は報告されていませんが、在コタキナバル領事事務所管轄のサバ州東海岸部においては、10数年前から身代金目的の拉致・誘拐事件が頻発しているほか、下記のとおり、2013年8月以降、8件の誘拐事件(含む未遂)が発生しています。
   
・ 2013年8月 センポルナ近海(ブンブン島)マレーシア人漁民2人
・ 2013年11月
センポルナ近海(ポンポン島)台湾人旅行者2名(内1名射殺)
・ 2014年4月 センポルナ近海(シンガマタ島)中国人旅行者1名、比人従業員1名
・ 2014年5月 ラハ・ダトゥ近海(バイキ島)中国人養魚場マネージャー1名
・ 2014年6月  クナ近郊(サバン村沿岸)マレーシア人養魚場オーナー1名、比人従業員1名
・ 2014年7月  センポルナ近海 マレーシア人養魚場オーナー1名(未遂)
・ 2014年7月 センポルナ近海(マブール島)マレーシア海上警察官2名(内1名射殺)
・ 2015年5月 サンダカン近郊 マレーシア人レストランオーナー1名、同客1名(内1名斬首殺害)
  ・ 2016年4月   センポルナ近海(リギタン島沿岸)マレーシア人船員4名
  ・ 2016年7月  ラハ・ダトゥ沖合 船員5名
   
       各事件には、フィリピン南部に拠点を置く武装集団が関与しているとされ、被害者らは、リゾート施設や養魚場という海上近くで拉致され、ボートを用いてフィリピン南部の島へ連れ去られています。なお、数名の被害者は解放されたものの、多額の身代金を払ったとか、犯人の一部は、フィリピン治安当局との銃撃戦で死亡したとか、逮捕されたとの報道もありますが、犯行グループは複数あると言われており、全容の解明、犯行グループの壊滅には至っておりません。
   これら一連の誘拐事件を受け、2014年7月中旬から、サバ州東海域の夜間航行禁止令が継続して発出されており、禁止時間帯に許可無く同海域を航行する船舶は、警察により逮捕された上、罰金又は勾留が課せられます。さらに、サバ州東側の島嶼部及び周辺海域に対しては、外務省危険情報「渡航は止めてください(渡航中止勧告)。」等を継続して発出しており、どのような目的であれ、渡航を止めていただくようお願いしているほか、現地に滞在している邦人の方々に対しては、退避の可能性の検討や準備を促しております。
 
 
5.対日感情
    当館管内において、反日行動等は確認されておりませんが、終戦記念行事や中国が主張する尖閣諸島の領有権問題、従軍慰安婦問題を捉え、一部華人紙が反日的な記事を掲載したり、大使館へ抗議に出向くことがあります。
   
   
6.日本企業の安全に係わる諸問題
    当館管内において、特に報告されていません。
   
   
7. その他
      マレーシアでは、9月3日に最初のジカウイルス感染者が判明されて以降、8人の感染が確認されています(12月18日付マレーシア保険省発表による)。しかし、11月18日、世界保健機関(WHO)が「ジカウイルスと小頭症及び神経障害に関する第5回緊急委員会」において、「国際的に懸念される公衆の保険上の緊急事態の終了」を宣言したことを受けて、外務省から当地に発出されていました感染症危険度の「レベル1:十分注意」も11月25日に解除されました。
   一報で、ジカウイルス感染症は、妊娠中又は妊娠予定の女性が感染した場合、母子感染によって胎児に小頭症などの先天性障害を来す可能性があります。また、蚊に刺される以外にも性行為によって感染することがあるため、流行地域に渡航または滞在中の皆様は十分な注意が必要です。