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海外安全対策情報(平成28年4月~6月)
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1.治安情勢及び一般犯罪の傾向 |
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(1) マレーシア国内における状況
マレーシア国内における2015年中の犯罪発生件数(知能犯罪及び薬物関連犯罪を除く。) は、11万5,545件であり、前年比10.1%減となっているものの、殺人や強盗、強姦事件といった凶悪事件は依然高い水準で推移しております。2015年における日本とマレーシアにおける凶悪犯罪発生率を比較すると殺人事件は約2.2倍、強盗事件で約23.2倍、強姦事件で約7.2倍とマレーシアの方が非常に高くなっています。
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(2) 当館管轄区域の状況 |
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当館管轄6州における2015年中の犯罪発生総件数は |
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ペナン州 |
6,698件(前年比 10.6%減) |
ケダ州 |
7,817件(前年比 2.6%減) |
ペラ州 |
6,228件(前年比 9.2%減) |
トレンガヌ州 |
2,659件(前年比 17.2%減) |
クランタン州 |
5,031件(前年比 10.2%減) |
ペルリス州 |
741件(前年比 9.0%減) |
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となっています。
警察による継続した犯罪対策(パトロール強化、検問実施等)の強化により、全体的な犯罪統 計数は、大幅に減少しているものの、当館管轄区域北部6州における凶悪犯罪の発生状況は、殺人132件(前年比2.3%減)、強盗2,554件(前年比11.9%減)、強姦694件(前年比17.6%減)で、依然として高い水準で推移しており、防犯対策には相当の注意が必要です。
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2.邦人犯罪被害の状況 |
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当館管轄内で2016年第2四半期中(4~6月)、邦人被害にかかる一般犯罪被害については、 |
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の計1件の届出を受理しています。この事例についてご紹介致します。 |
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【事例】車上荒らし(ペナン州プライ地区) |
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5月27日(金)午後10時頃から午後11時頃までの間に、ペナン州プライ地区(Pearl View Hotel付近)の路上に被害者が駐車していた車の車内から、パスポート等が入ったカバンを何者かに盗まれる車上狙い被害が発生しました。被害者の方が食事のために車から離れており、その際に助手席座面に置いていたカバンが盗まれています。
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3.テロ・爆弾事件発生状況 |
マレーシア国家警察は、6月28日深夜にクアラルンプール市郊外プチョン地区所在のショッピングモール内飲食店で発生した手榴弾爆発事件について、ISIL関係者によるテロ事件であったと発表しています。
警察当局は、6月28日から本件事件の実行犯2人を含む関係容疑者複数を逮捕するとともに、他の容疑者を公開手配しています。
よって、アルコール類を供する飲食店や欧米人が多数出入りする娯楽施設は、テロの標的となり得る一定のリスクがあることをよく認識するとともに、これらの施設を訪れる場合には、非常口や脱出ルートを念頭に置いた配席や訪問時間 帯及び滞在時間の調整などのリスク軽減に注意して下さい。
※ オープンカフェスタイルの店舗では、爆発事件を始め銃乱射や刃物による殺傷事件が発生し
た場合、身を隠したり犯人の接近を阻止することが極めて困難です。
また、報道によりますと、今回の事件関係者がテロの標的として検討していたものとしては、「マレーシア政府要人及び政府・治安機関の幹部」も挙がっていたということです。
従いまして、政府機関の建物や施設や軍・警察施設、国家的重要記念物を訪ねる際は、テロ攻撃に巻き込まれるリスクがあることを認識し、常に警戒心を保持するとともに、状況に応じて訪問する時間帯や滞在時間を調節するなどリスク軽減に努めてください。
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4.誘拐・脅迫事件発生状況 |
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当館管内において、日本人被害の事件は報告されていませんが、在コタキナバル領事事務所管轄のサバ州東海岸部においては、10数年前から身代金目的の拉致・誘拐事件が頻発しているほか、下記のとおり、2013年8月以降、8件の誘拐事件(含む未遂)が発生しています。 |
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・ 2013年8月 |
センポルナ近海(ブンブン島)マレーシア人漁民2人 |
・ 2013年11月 |
センポルナ近海(ポンポン島)台湾人旅行者2名(内1名射殺) |
・ 2014年4月 |
センポルナ近海(シンガマタ島)中国人旅行者1名、比人従業員1名 |
・ 2014年5月 |
ラハ・ダトゥ近海(バイキ島)中国人養魚場マネージャー1名 |
・ 2014年6月 |
クナ近郊(サバン村沿岸)マレーシア人養魚場オーナー1名、比人従業員1名 |
・ 2014年7月 |
センポルナ近海 マレーシア人養魚場オーナー1名(未遂) |
・ 2014年7月 |
センポルナ近海(マブール島)マレーシア海上警察官2名(内1名射殺) |
・ 2015年5月 |
サンダカン近郊 マレーシア人レストランオーナー1名、同客1名(内1名斬首殺害) |
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・ 2016年4月 |
センポルナ近海(リギタン島沿岸)マレーシア人船員4名 |
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各事件には、フィリピン南部に拠点を置く武装集団が関与しているとされ、被害者らは、リゾート施設や養魚場という海上近くで拉致され、ボートを用いてフィリピン南部の島へ連れ去られています。なお、数名の被害者は解放されたものの、多額の身代金を払ったとか、犯人の一部は、フィリピン治安当局との銃撃戦で死亡したとか、逮捕されたとの報道もありますが、犯行グループは複数あると言われており、全容の解明、犯行グループの壊滅には至っておりません。
これら一連の誘拐事件を受け、2014年7月中旬から、サバ州東海域の夜間航行禁止令が継続して発出されており、禁止時間帯に許可無く同海域を航行する船舶は、警察により逮捕された上、罰金又は勾留が課せられます。さらに、サバ州東側の島嶼部及び周辺海域に対しては、外務省危険情報「渡航は止めてください(渡航中止勧告)。」等を継続して発出しており、どのような目的であれ、渡航を止めていただくようお願いしているほか、現地に滞在している邦人の方々に対しては、退避の可能性の検討や準備を促しております。詳しくは外務省海外安全ホームページ(危険情報・スポット情報・広域情報)等をご覧ください。
http://m.anzen.mofa.go.jp/mbhazardinfo.asp?hazardInfoflg=2&infocode=2016T050 |
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5.対日感情 |
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当館管内において、反日行動等は確認されておりませんが、終戦記念行事や中国が主張する尖閣諸島の領有権問題、従軍慰安婦問題を捉え、一部華人紙が反日的な記事を掲載したり、大使館へ抗議に出向くことがあります。 |
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6.日本企業の安全に係わる諸問題 |
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当館管内において、特に報告されていません。 |