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海外安全対策情報(平成28年1月~3月)
 
1.治安情勢及び一般犯罪の傾向
 
 (1) マレーシア国内における状況
      マレーシア国内における2015年中の犯罪発生件数(知能犯罪及び薬物関連犯罪を除く。)  は、11万5,545件であり、前年比10.1%減となっているものの、殺人や強盗、強姦事件といった凶悪事件は依然高い水準で推移しております。2015年における日本とマレーシアにおける凶悪犯罪発生率を比較すると殺人事件は約2.2倍、強盗事件で約23.2倍、強姦事件で約7.2倍とマレーシアの方が非常に高くなっています。

    (2) 当館管轄区域の状況
       当館管轄6州における2015年中の犯罪発生総件数は
 
   ペナン州  6,698件(前年比 10.6%減)
  ケダ州 7,817件(前年比  2.6%減)
  ペラ州 6,228件(前年比  9.2%減)
  トレンガヌ州 2,659件(前年比 17.2%減)
  クランタン州 5,031件(前年比 10.2%減)
  ペルリス州    741件(前年比  9.0%減)
  となっています。
   警察による継続した犯罪対策(パトロール強化、検問実施等)の強化により、全体的な犯罪統  計数は、大幅に減少しているものの、当館管轄区域北部6州における凶悪犯罪の発生状況は、殺人132件(前年比2.3%減)、強盗2,554件(前年比11.9%減)、強姦694件(前年比17.6%減)で、依然として高い水準で推移しており、防犯対策には相当の注意が必要です。
 
 
2.邦人犯罪被害の状況
   当館管轄内で2016年第1四半期中(1~3月)、邦人被害にかかる一般犯罪被害については、
   
 
ひったくり
  1件
置き引き
  3件
仮睡者狙い
  1件
   
   の計3件の届出を受理しています。このうち、いくつかの事例についてご紹介致します。
 
○    ひったくり(ペナン州ジョージタウン・チュリア通り)
      2月11日(木)午前5時20分頃、邦人女性(短期滞在者)が、ペナン州ジョージタウン・チュリア通りを邦人男性とともに歩いていたところ、背後から二人乗りをしたバイク2台がやって来て、トートバッグ(パスポート、携帯電話、財布等在中)をひったくられる被害にあいました。被害にあった女性は、トートバッグの持ち手をスーツケースのハンドルに巻き付けていましたが、バイクに乗っていた4人組のうち一人が、トートバッグを強く引っ張ったため、持ち手が千切れ、幸いバイクにひきずられずにすみましたが、運が悪ければ大怪我をする可能性がある事案でした。なお、被害女性によると、バッグをひったくられるまで、背後からバイクが来ていることに気付かなかったそうです。
 
【被害防止のためのアドバイス】
       事案概要が示しているとおり、犯行は一瞬で、犯人は隙のある標的を探しています。ですから犯人標的にならない行動が重要です。
 
☆ バッグ等、荷物の携帯方法に配慮する。
      犯罪の多発地域や時間帯に外出される場合、周囲に十分警戒し、バッグは、身体の前で抱えたり、たすき掛けにして車道とは反対側に持つなどして、犯人に隙を与えないことが肝要です。
 
☆ 不審なバイクに注意する。
      ひったくりに狙われないよう、時々、後ろを振り返るなど、周囲に対する警戒にもご配慮ください。特に付近を見回しながらゆっくりと走行するバイク(特に二人乗り)には注意をしてください。今回の事案では被害者が被害にあうまで、追跡されていることに気付いていませんでした。
 
☆  夜間・早朝時における外出は十分注意する。
      夜間・早朝の外出は十分注意するとともに、外出する場合は、近距離であっても、できるだけタクシー等の乗り物を利用するといった対策をお勧め致します
 
☆ 無理な追跡、抵抗はしない。
       万が一被害にあったら、引きずられて危険です。抵抗しないで荷物から手を離しましょう。また、ひったくり等の犯人は凶器を所持していることも考えられます。皆様の安全のためにも無理な追跡や抵抗はせず、犯人が使用するバイク等のナンバー、犯人の身体的特徴や服装等を覚えて直ちに警察へ通報してください。
○ 置き引き(ペナン国際空港内)
3月9日(水)午前7時頃、邦人男性(旅行者)がペナン国際空港出発ロビー所在のファストフード店で関係者2名と食事をとっていたところ、ショルダーバッグ(パスポート、財布、携帯電話、タブレット端末等在中)を盗まれる置き引き事案が発生しました。被害男性は4人掛けのテーブル席に関係者2名と座り、空席となっている隣のイス(座面)にショルダーバッグを置いて食事をとっていたそうです。食事を終えて席を立とうとしたところ、いつの間にかショルダーバッグがなくなっており、誰も不審な人物等には気付かなかったそうです。
 
【被害防止のためのアドバイス】
      被害者等3名が食事をとっていた最中とはいえ、直近に置いていたショルダーバッグが誰にも気付かれることなく窃取されていることから、犯人は、標的となる対象をよく観察し、隙を見定めて犯行に及んだことが窺われます。空港やホテル、レストランなどは、不特定多数の人物が往来している上、こうした場所には、比較的多くの現金を持った旅行者がいることから、犯罪のターゲットとされていることがあります。
 
☆ バッグ等は自分の身体に密着するように携行する。
 本事例が示しているとおり、短時間であっても座席や床に置きっぱなしにしないようにしてください。特に人と話をしていたり、他の荷物に気を取られている時は注意が必要です。やむを得ず手を離しても、身体の一部に触れたままにしておくことをお勧め致します。例えば両足の間にバッグ等を置いていても、足に触れていなければ盗まれてもわかりません。
特に自分の周りで気を引くようなことが起きたら、まず持ち物をしっかりと確認してください。
 
☆ 知人、友人等の同席者で互いに注意する。
   知人等と一緒の際には、お互いに荷物を確認し合うことも被害防止に効果的です。また、比較的大きな荷物を置いたままにする際には、知人等に荷物の管理を依頼して離れるように留意してください
 
 
3.テロ・爆弾事件発生状況
 
(1) マレーシア国内
        近年マレーシア国内では、イスラム過激派によるテロ事件の発生はありませんが、2013年2月下旬以降、マレーシア国内各地で177人がテロ関連容疑で逮捕され、少なくとも150人のマレーシア人がISの活動に参加すべく、シリア、イラク北部地域へ渡航したと報じられております(2016年3月末現在)。逮捕者の多くは、シリア、イラクへ渡航前に逮捕されたり、イスラム過激派の危険な思想を伝播したり、ISへの勧誘や資金援助などを行ったとして逮捕されたと報じられておりますが、逮捕者の一部は、マレーシア国内にある欧米権益やパブ、ディスコ、マレーシア政府関連施設、警察・軍の関連施設、観光客が多い繁華街等を標的とし、テロを計画中であったことも報じられています。また、これら逮捕者を職業別に見ると、大学生、主婦、建設現場労働者、建築技師、会社役員、料理人、グラフィックデザイナー、政府幹部職員やマレーシア海軍・空軍関係者、空港保安職員、警察官等幅広い業種に及んでいるほか、年齢別に見ても10代から50代と幅広く分布しており、今後も職業や年齢を問わず、イスラム過激派思想に感化されるマレーシア人の拡大を懸念する報道もあります。
一方、上記逮捕数が示すとおり、マレーシア治安当局もISへ参加を企図するマレーシア人のシリア・イラクへの渡航を未然に阻止したり、マレーシア国内でテロを計画中であった者を逮捕するなど、監視活動と取締りを強化しております。また大使館・総領事館からマレーシア関係当局に対し、在留邦人の安全確保について特段の配慮をお願いしており、マレーシア当局からは、日本人を狙ったテロにつき、何ら特異情報には接しておらず、現時点で具体的な脅威はないと説明を受けております。しかし、今後の情勢を注視して、不測の事態に備えていくという心構えは、日頃から持って頂くことが大切です。
   
  (2) タイ南部(マレーシアとの国境付近)
        2004年1月以降、マレーシアと国境を接するタイ南部では、中央政府の支配に反抗するイスラム系武装勢力によるとみられる爆発・襲撃事件等が続発し、これまで6,300人以上が死亡したと報じられています。これらのテロ活動の主な標的は、警察、軍、刑務所等の職員や施設、公共交通機関等となっていますが、ホテルやショッピングセンターが対象となることやこれら標的の巻き添えになる可能性があります。
   タイ南部地域に対しては、外務省危険情報「渡航は止めてください(渡航中止勧告)」等を継続して発出しており、どのような目的であれ、渡航を止めて頂くようお願いしているほか、現地に滞在している邦人の方々に対しては、退避の可能性の検討や準備を促しております。詳しくは外務省海外安全ホームページ(危険情報・スポット情報・広域情報)をご覧ください。   
   http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pcinfectionspothazardinfo.asp?id=007\#ad-image-0
   
   
4.誘拐・脅迫事件発生状況
  当館管内において、日本人被害の事件は報告されていませんが、在コタキナバル領事事務所管轄のサバ州東海岸部においては、10数年前から身代金目的の拉致・誘拐事件が頻発しているほか、下記のとおり、2013年8月以降、8件の誘拐事件(含む未遂)が発生しています。    
   
・ 2013年8月 センポルナ近海(ブンブン島)マレーシア人漁民2人
・ 2013年11月 センポルナ近海(ポンポン島)台湾人旅行者2名(内1名射殺)
・ 2014年4月 センポルナ近海(シンガマタ島)中国人旅行者1名、比人従業員1名
・ 2014年5月 ラハ・ダトゥ近海(バイキ島)中国人養魚場マネージャー1名
・ 2014年6月  クナ近郊(サバン村沿岸)マレーシア人養魚場オーナー1名、比人従業員1名
・ 2014年7月  センポルナ近海 マレーシア人養魚場オーナー1名(未遂)
・ 2014年7月 センポルナ近海(マブール島)マレーシア海上警察官2名(内1名射殺)
・ 2015年5月 サンダカン近郊 マレーシア人レストランオーナー1名、同客1名(内1名斬首殺害)
  ・ 2016年4月   センポルナ近海(リギタン島沿岸)マレーシア人船員4名
     
   
      各事件には、フィリピン南部に拠点を置く武装集団が関与しているとされ、被害者らは、リゾート施設や養魚場という海上近くで拉致され、ボートを用いてフィリピン南部の島へ連れ去られています。なお、数名の被害者は解放されたものの、多額の身代金を払ったとか、犯人の一部は、フィリピン治安当局との銃撃戦で死亡したとか、逮捕されたとの報道もありますが、犯行グループは複数あると言われており、全容の解明、犯行グループの壊滅には至っておりません。
   これら一連の誘拐事件を受け、2014年7月中旬から、サバ州東海域の夜間航行禁止令が継続して発出されており、禁止時間帯に許可無く同海域を航行する船舶は、警察により逮捕された上、罰金又は勾留が課せられます。さらに、サバ州東側の島嶼部及び周辺海域に対しては、外務省危険情報「渡航は止めてください(渡航中止勧告)。」等を継続して発出しており、どのような目的であれ、渡航を止めていただくようお願いしているほか、現地に滞在している邦人の方々に対しては、退避の可能性の検討や準備を促しております。詳しくは外務省海外安全ホームページ(危険情報・スポット情報・広域情報)をご覧ください。
 
 
 
5.対日感情
    当館管内において、反日行動等は確認されておりませんが、終戦記念行事や中国が主張する尖閣諸島の領有権問題、従軍慰安婦問題を捉え、一部華人紙が反日的な記事を掲載したり、大使館へ抗議に出向くことがあります。
   
   
6.日本企業の安全に係わる諸問題
    当館管内において、特に報告されていません。