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海外安全対策情報(平成27年10月~12月)
 
1.治安情勢及び一般犯罪の傾向
 
 (1) マレーシア国内における状況
      マレーシア国内における2014年中の犯罪発生件数(知能犯罪及び薬物関連犯罪を除く。)  は、12万8,544件であり、前年比12.6%減となっているものの、殺人や強盗、強姦事件といった凶悪事件は依然高い水準で推移しております。2014年における日本とマレーシアにおける凶悪犯罪発生率を比較すると殺人事件は約2倍、強盗事件で約23.4倍、強姦事件で約7.7倍とマレーシアの方が非常に高くなっています。

    (2) 当館管轄区域の状況
       当館管轄6州における2014年中の犯罪発生総件数は
 
   ペナン州  7,491件(前年比  5.6%減)
  ケダ州 8,028件(前年比  7.0%減)
  ペラ州 6,860件(前年比  7.7%減)
  トレンガヌ州 3,213件(前年比 11.0%減)
  クランタン州 5,603件(前年比  2.3%減)
  ペルリス州    788件(前年比  5.2%減)
  となっています。
   警察による継続した犯罪対策(パトロール強化、検問実施等)の強化により、全体的な犯罪統  計数は、大幅に減少しているものの、当館管轄区域北部6州における凶悪犯罪の発生状況は、殺人135件(前年比0.7%増)、強盗2,859件(前年比5.4%減)、強姦816件(前年比9.1%減)で、依然として高い水準で推移しており、防犯対策には相当の注意が必要です。

2.邦人犯罪被害の状況
   当館管轄内で2015年第4四半期中(10~12月)、邦人被害にかかる一般犯罪被害については
                  置き引き  1件
                  車上狙い 2件
               空き巣     1件
               客室狙い 1件
   の計5件の届出を受理しています。このうち、いくつかの事例についてご紹介致します。
○    車上狙い(ペナン州ジョージタウンの路上)
      12月9日(水)午後4時頃から午後4時2分頃までの間、ペナン州ジョージタウン所在の幼稚園(ロー・ガン・ライ病院付近)近くの路上に駐車していた車から、財布や鍵等が在中するカバンを盗まれる車上狙い被害が発生しました。被害者の方が幼稚園へ子供を迎えに行っていたわずか2分の間に車の助手席窓ガラスが割られ、助手席座面に置いていたカバンが盗まれていたそうです。
      当館では本年中、在留邦人の方が被害者となる車上狙い事件につき、計4件認知致しました。車を離れるとき、たとえ短時間であっても、荷物はなるべく車内に残さず、財布やパスポート等の貴重品については、必ず携行してください。
お子様のお迎えに限ったことではありませんが、犯人は隙のあるターゲットを常に狙っています。
 
○   空き巣(ペナン州ガーニードライブ付近のコンドミニアム)
      11月23日(月)午後0時から午後3時頃までの間、ペナン州ガーニードライブ付近のコンドミニアムにおいて、邦人被害の空き巣事件(家人外出中)が発生しました。
      犯人はグリル戸を合い鍵または特殊工具を使用するなどして解錠後、玄関戸の鍵を破壊して侵入、部屋中を物色の上、引き出しに収めてあった現金や腕時計を窃取しています。
同コンドミニアムでは、同じ日に少なくとも5件の空き巣被害が連続発生し、防犯カメラには、不審な華人系男性3人組が写っていたようです。またこのコンドミニアムで犯行当日、不審な訪問者が確認されており、ベルを鳴らされた家人が玄関から出ると「ウォーターサーバーのサービスの件です。」「家を間違った。」と言い、犯人グループによる在宅確認と思われる行動が確認されております。警察によると、最近同様の手口(高級家電等には手を出さず、現金や貴金属のみを窃取し、車のナンバーを偽装し、犯人グループは変装)が近隣コンドミニアムで発生し、犯人検挙には至っていないようです。
【被害防止のためのアドバイス】
ア.隣家・上下階の入居状況と自宅周辺の確認
       隣家が空き家であったり、ベランダ沿いの平行移動あるいは上下階から配水管や壁などを伝っての垂直方向の移動が可能な構造となっていないか確認をお願い致します。もし、そのような構造が確認できた箇所は、常に施錠しておくことをお勧め致します。
イ.  施錠設備の確認
      出入口の施錠設備について、自分が犯人になったつもりで観察してみてください。犯人は、侵入に時間がかかることを嫌がります。十分な強度があるか、簡単に解(開)錠できる作りとなっていないか、施錠部分に外部から手が届く状態になっていないかなど、再点検することをお勧めします。また点検・鍵の取り替え等に当たっては、以下の点にもご配慮ください。
◎   ワンドアツーロック
      2カ所以上の施錠設備を設けると、防犯上効果があることがわかっています。
◎ 耐ピッキング・バンピング錠
      南京錠よりシリンダー錠の方が構造上、破壊には強いと言えますが、ピッキングやバンピングという特殊工具を使用した解錠手口がありますので、シリンダー錠を新たに設置するなら、高い位置に設置するほか、ピッキング・バンピング耐性のある錠前とすれば、防犯効果をがあることは言うまでもありません。
◎ 丈夫な南京錠
       南京錠については、過去の空き巣事例で、ボルトクリッパーで切断された事例が多く報告されていることから、U字部分がより太く、頑丈な金属で出来たものが理想的です。あまり出費もかかりませんし、前住居人も同じ南京錠を使用していた可能性があるようでしたら、合い鍵を持っている可能性もありますので、丈夫な南京錠へ取り替えることをお勧め致します。
ウ.防犯グッズの活用
       犯人も姿を見られたり、周囲に悟られることを恐れています。次のような防犯グッズも被害防止に効果的です。
◎ 玄関扉付近に防犯カメラまたはそのダミー、センサーライトを取り付ける。
◎ 玄関格子戸や玄関扉に防犯ブザーを取り付ける。
       戸を開けるとブザーが鳴動する装置やダミーの防犯カメラについては、DIY等の量販店において入手可能です。センサーライトについては、照明器具専門店で入手可能です。
エ.短時間の外出といえども、全てのドアと窓を施錠する。
       ゴミ捨て等の短時間といえども、全て窓を閉め、ドアもきちんと施錠してください。繰り返しになりますが、犯人は侵入に時間がかかることを嫌がります。
オ.貴重品の保管場所に対する工夫
      自宅には多額の現金を置かないことをお勧めします。また、万が一被害に遭った場合を考えた場合、現金や貴重品は一カ所にまとめて保管するより分散して保管することをお勧めします。
カ.在室を装うことも被害防止には効果的
      空き巣は家人の外出状況等を確認します。在室を装うためには次のような事項が考えられますので、ご検討ください。
◎ ラジオやテレビをつけたままにしておく。
◎   玄関に靴を多めに置いておく。
◎ 夜間の外出時は、カーテンを閉めて室内の電灯を点灯したままにしておく。
キ.長期不在時の対策
       長期の不在予定(旅行や一時帰国等)は、ごく親しい者以外に話さない、悟られないことも重要です。(コンドミニアムに出入りする警備員、清掃業者等の関係者が犯罪グループと通じている可能性もあります。)特に旅行へ出かける際は、スーツケースなどを持って出かけることから、その様子を第三者に見られると、長期不在を悟られる材料となり得ます。旅行などに出かける際は、このような点にもご配慮ください。
ク.コンドミニアムの管理事務所に対する警備強化依頼
       コンドミニアムの管理を行っている管理事務所に対してコンドミニアムに出入りする者の
チェック強化や敷地内のパトロール等の警備強化を依頼してください。また、コンドミニアム内でおかしい行動(玄関をのぞき込んでいる、辺りの様子をうかがっている等)をしている者を見かけた場合は、管理事務所や警備員に通報してください。
ケ.空き巣犯と遭遇した場合の対応
       万が一、在宅中に空き巣犯人が侵入して遭遇した場合には、無理な抵抗はしないでください。
犯人は複数である可能性も高く、また、逃走するために危害を加えてくることもあります。犯人の顔等の特徴を覚え、直ちに警察、コンドミニアムの管理事務所や警備員に通報してください。
 
3.テロ・爆弾事件発生状況
 
(1) マレーシア国内
        近年マレーシア国内では、イスラム過激派によるテロ事件の発生はありませんが、2013年2月下旬以降、マレーシア国内各地で145人がテロ関連容疑で逮捕され、少なくとも72人のマレーシア人がISの活動に参加すべく、シリア、イラク北部地域へ渡航したと報じられております。(2015年12月末現在)逮捕者の多くは、シリア、イラクへ渡航前に逮捕されたり、イスラム過激派の危険な思想を伝播したり、ISILへの勧誘や資金援助などを行ったとして逮捕されたと報じられておりますが、逮捕者の一部は、マレーシア国内にある欧米権益やパブ、ディスコ、マレーシア政府関連施設、警察・軍の関連施設、観光客が多い繁華街等を標的とし、テロを計画中であったことも報じられています。また、これら逮捕者を職業別に見ると、大学生、主婦、建設現場労働者、建築技師、会社役員、料理人、グラフィックデザイナー、政府幹部職員やマレーシア海軍・空軍関係者、空港保安職員等幅広い業種に及んでいるほか、年齢別に見ても10代から50代と幅広く分布しており、今後も職業や年齢を問わず、イスラム過激派思想に感化されるマレーシア人の拡大を懸念する報道もあります。
      一方、上記逮捕数が示すとおり、マレーシア治安当局もISILへ参加を企図するマレーシア人のシリア・イラクへの渡航を未然に阻止したり、マレーシア国内でテロを計画中であった者を逮捕するなど、監視活動と取締りを強化しております。また大使館・総領事館からマレーシア関係当局に対し、在留邦人の安全確保について特段の配慮をお願いしており、マレーシア当局からは、日本人を狙ったテロにつき、何ら特異情報には接しておらず、現時点で具体的な脅威はないと説明を受けております。しかし、今後の情勢を注視して、不測の事態に備えていくという心構えは、日頃から持って頂くことが大切です。
 (2) タイ南部(マレーシアとの国境付近)                                                                                                                     2004年1月以降、マレーシアと国境を接するタイ南部では、中央政府の支配に反抗するイスラム系武装勢力によるとみられる爆発・襲撃事件等が続発し、これまで6,300人以上が死亡したと報じられています。これらのテロ活動の主な標的は、警察、軍、刑務所等の職員や施設、公共交通機関等となっていますが、ホテルやショッピングセンターが対象となることやこれら標的の巻き添えになる可能性があります。
      タイ南部地域に対しては、外務省危険情報「渡航は止めてください(渡航中止勧告)」等を継続して発出しており、どのような目的であれ、渡航を止めて頂くようお願いしているほか、現地に滞在している邦人の方々に対しては、退避の可能性の検討や準備を促しております。詳しくは外務省海外安全ホームページ(危険情報・スポット情報・広域情報)をご覧ください。   
 
4.誘拐・脅迫事件発生状況
  当館管内において、日本人被害の事件は報告されていませんが、在コタキナバル領事事務所管轄のサバ州東海岸部においては、10数年前から身代金目的の拉致・誘拐事件が頻発しているほか、下記のとおり、2013年8月以降、8件の誘拐事件(含む未遂)が発生しています。        
   
・ 2013年8月 センポルナ近海(ブンブン島)マレーシア人漁民2人
・ 2013年11月 センポルナ近海(ポンポン島)台湾人旅行者2名(内1名射殺)
・ 2014年4月 センポルナ近海(シンガマタ島)中国人旅行者1名、比人従業員1名
・ 2014年5月 ラハ・ダトゥ近海(バイキ島)中国人養魚場マネージャー1名
・ 2014年6月  クナ近郊(サバン村沿岸)マレーシア人養魚場オーナー1名、比人従業員1名
・ 2014年7月  センポルナ近海 マレーシア人養魚場オーナー1名(未遂)
・ 2014年7月 センポルナ近海(マブール島)マレーシア海上警察官2名(内1名射殺)
・ 2015年7月 サンダカン近郊 マレーシア人レストランオーナー1名、同客1名(内1名斬首殺害)
   
      各事件には、フィリピン南部に拠点を置く武装集団が関与しているとされ、被害者らは、リゾート施設や養魚場という海上近くで拉致され、ボートを用いてフィリピン南部の島へ連れ去られています。なお、数名の被害者は解放されたものの、多額の身代金を払ったとか、犯人の一部は、フィリピン治安当局との銃撃戦で死亡したとか、逮捕されたとの報道もありますが、犯行グループは複数あると言われており、全容の解明、犯行グループの壊滅には至っておりません。
     これら一連の誘拐事件を受け、2014年7月中旬から、サバ州東海域の夜間航行禁止令が継続して発出されており、禁止時間帯に許可無く同海域を航行する船舶は、警察により逮捕された上、罰金又は勾留が課せられます。さらに、サバ州東側の島嶼部及び周辺海域に対しては、外務省危険情報「渡航は止めてください(渡航中止勧告)。」等を継続して発出しており、どのような目的であれ、渡航を止めていただくようお願いしているほか、現地に滞在している邦人の方々に対しては、退避の可能性の検討や準備を促しております。詳しくは外務省海外安全ホームページ(危険情報・スポット情報・広域情報)をご覧ください。     
 
 
5.対日感情
    当館管内において、反日行動等は確認されておりませんが、終戦記念行事や中国が主張する尖閣諸島の領有権   問題、従軍慰安婦問題を捉え、一部華人紙が反日的な記事を掲載したり、大使館へ抗議に出向くことがあります  
   
6.日本企業の安全に係わる諸問題
    当館管内において、特に報告されていません。