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海外安全対策情報(平成27年7月~9月)
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1.治安情勢及び一般犯罪の傾向 |
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(1) マレーシア国内における状況
マレーシア国内における2014年中の犯罪発生件数(知能犯罪及び薬物関連犯罪を除く。) は、12万8,544件であり、前年比12.6%減となっているものの、殺人や強盗、強姦事件といった凶悪事件は依然高い水準で推移しております。2014年における日本とマレーシアにおける凶悪犯罪発生率を比較すると殺人事件は約2倍、強盗事件で約23.4倍、強姦事件で約7.7倍とマレーシアの方が非常に高くなっています。
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(2) 当館管轄区域の状況 |
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当館管轄6州における2014年中の犯罪発生総件数は |
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ペナン州 |
7,491件(前年比 5.6%減) |
ケダ州 |
8,028件(前年比 7.0%減) |
ペラ州 |
6,860件(前年比 7.7%減) |
トレンガヌ州 |
3,213件(前年比 11.0%減) |
クランタン州 |
5,603件(前年比 2.3%減) |
ペルリス州 |
788件(前年比 5.2%減) |
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となっています。
警察による継続した犯罪対策(パトロール強化、検問実施等)の強化により、全体的な犯罪統 計数は、大幅に減少しているものの、当館管轄区域北部6州における凶悪犯罪の発生状況は、殺人135件(前年比0.7%増)、強盗2,859件(前年比5.4%減)、強姦816件(前年比9.1%減)で、依然として高い水準で推移しており、防犯対策には相当の注意が必要です。
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2.邦人犯罪被害の状況 |
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当館管轄内で2015年第3四半期中(7~9月)、邦人被害にかかる一般犯罪被害については |
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置き引き 1件 |
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スリ 1件 |
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の計2件の届出を受理しています。 |
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3.テロ・爆弾事件発生状況 |
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(1) マレーシア国内
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近年マレーシア国内では、イスラム過激派によるテロ事件の発生はありませんが、2013年2月下旬以降、マレーシア国内各地で124人がテロ関連容疑で逮捕され、少なくとも69人のマレーシア人が、ISの活動に参加すべく、シリア、イラク北部地域へ渡航したと報じられております。(2015年9月末現在)逮捕者の多くは、シリア、イラクへ渡航前に逮捕されたり、イスラム過激派の危険な思想を伝播したり、ISILへの勧誘や資金援助などを行ったとして逮捕されたと報じられておりますが、逮捕者の一部は、マレーシア国内にある欧米権益やパブ、ディスコ、マレーシア政府関連施設、警察・軍の関連施設、観光客が多い繁華街等を標的とし、テロを計画中であったことも報じられています。また、これら逮捕者を職業別に見ると、大学生、主婦、建設現場労働者、建築技師、会社役員、料理人、グラフィックデザイナー、政府幹部職員やマレーシア海軍・空軍関係者、空港保安職員等幅広い業種に及んでいるほか、年齢別に見ても10代から50代と幅広く分布しており、今後も職業や年齢を問わず、イスラム過激派思想に感化されるマレーシア人の拡大を懸念する報道もあります。
一方、上記逮捕数が示すとおり、マレーシア治安当局もISILへ参加を企図するマレーシア人のシリア・イラクへの渡航を未然に阻止したり、マレーシア国内でテロを計画中であった者を逮捕するなど、監視活動と取締りを強化しております。また大使館・総領事館からマレーシア関係当局に対し、在留邦人の安全確保について特段の配慮をお願いしており、マレーシア当局からは、日本人を狙ったテロにつき、何ら特異情報には接しておらず、現時点で具体的な脅威はないと説明を受けております。しかし、今後の情勢を注視して、不測の事態に備えていくという心構えは、日頃から持って頂くことが大切です。
(2) タイ南部(マレーシアとの国境付近)
2004年1月以降、マレーシアと国境を接するタイ南部では、中央政府の支配に反抗するイスラム系武装勢力によるとみられる爆発・襲撃事件等が続発し、これまで6,300人以上が死亡したと報じられています。これらのテロ活動の主な標的は、警察、軍、刑務所等の職員や施設、公共交通機関等となっていますが、ホテルやショッピングセンターが対象となることやこれら標的の巻き添えになる可能性があります。
タイ南部地域に対しては、外務省危険情報「渡航は止めてください(渡航中止勧告)」等を継続して発出しており、どのような目的であれ、渡航を止めて頂くようお願いしているほか、現地に滞在している邦人の方々に対しては、退避の可能性の検討や準備を促しております。詳しくは外務省海外安全ホームページ(危険情報・スポット情報・広域情報)をご覧ください。
http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pcinfectionspothazardinfo.asp?id=007\#ad-image-0
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4.誘拐・脅迫事件発生状況 |
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当館管内において、日本人被害の事件は報告されていませんが、在コタキナバル領事事務所管轄のサバ州東海岸部においては、10数年前から身代金目的の拉致・誘拐事件が頻発しているほか、下記のとおり、2013年8月以降、8件の誘拐事件(含む未遂)が発生しています。 |
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・ 2013年8月 |
センポルナ近海(ブンブン島)マレーシア人漁民2人 |
・ 2013年11月 |
センポルナ近海(ポンポン島)台湾人旅行者2名(内1名射殺) |
・ 2014年4月 |
センポルナ近海(シンガマタ島)中国人旅行者1名、比人従業員1名 |
・ 2014年5月 |
ラハ・ダトゥ近海(バイキ島)中国人養魚場マネージャー1名 |
・ 2014年6月 |
クナ近郊(サバン村沿岸)マレーシア人養魚場オーナー1名、比人従業員1名 |
・ 2014年7月 |
センポルナ近海 マレーシア人養魚場オーナー1名(未遂) |
・ 2014年7月 |
センポルナ近海(マブール島)マレーシア海上警察官2名(内1名射殺) |
・ 2015年7月 |
サンダカン近郊 マレーシア人レストランオーナー1名、同客1名 |
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各事件には、フィリピン南部に拠点を置く武装集団が関与しているとされ、被害者らは、リゾート施設や養魚場という海上近くで拉致され、ボートを用いてフィリピン南部の島へ連れ去られています。なお、数名の被害者は解放されたものの、多額の身代金を払ったとか、犯人の一部は、フィリピン治安当局との銃撃戦で死亡したとか、逮捕されたとの報道もありますが、犯行グループは複数あると言われており、全容の解明、犯行グループの壊滅には至っておりません。
これら一連の誘拐事件を受け、2014年7月中旬から、サバ州東海域の夜間航行禁止令が継続して発出されており、禁止時間帯に許可無く同海域を航行する船舶は、警察により逮捕された上、罰金又は勾留が課せられます。さらに、サバ州東側の島嶼部及び周辺海域に対しては、外務省危険情報「渡航は止めてください(渡航中止勧告)。」等を継続して発出しており、どのような目的であれ、渡航を止めていただくようお願いしているほか、現地に滞在している邦人の方々に対しては、退避の可能性の検討や準備を促しております。詳しくは外務省海外安全ホームページ(危険情報・スポット情報・広域情報)をご覧ください。 |
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http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pcinfectionspothazardinfo.asp?id=017#ad-image-0 |
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5.対日感情 |
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当館管内において、反日行動等は確認されておりませんが、終戦記念行事や中国が主張する尖閣諸島の領有権問題を捉え、一部華人紙が反日的な記事を掲載したり、大使館へ抗議に出向くことがあります。 |
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6.日本企業の安全に係わる諸問題 |
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当館管内において、特に報告されていません |