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海外安全対策情報(平成27年1月~3月)
 
1.治安情勢及び一般犯罪の傾向
 
(1) マレーシア国内における状況
    マレーシア国内における2014年中の犯罪発生件数(知能犯罪及び薬物関連犯罪を除く。)  は、12万8,544件であり、前年比12.6%減となっているものの、殺人や強盗、強姦事件といった凶悪事件は依然高い水準で推移しております。2014年における日本とマレーシアにおける凶悪犯罪発生率を比較すると殺人事件は約2倍、強盗事件で約23.4倍、強姦事件で約7.7倍とマレーシアの方が非常に高くなっています。


  (2) 当館管轄区域の状況
     当館管轄6州における2013年中の犯罪発生総件数は
 
   ペナン州  7,491件(前年比  5.6%減)
  ケダ州 8,028件(前年比  7.0%減)
  ペラ州 6,860件(前年比  7.7%減)
  トレンガヌ州 3,213件(前年比 11.0%減)
  クランタン州 5,603件(前年比  2.3%減)
  ペルリス州    788件(前年比  5.2%減)
  となっています。
   警察による継続した犯罪対策(パトロール強化、検問実施等)の強化により、全体的な犯罪統  計数は、大幅に減少しているものの、当館管轄区域北部6州における凶悪犯罪の発生状況は、殺人135件(前年比0.7%増)、 強盗2,859件(前年比5.4%減)、強姦816件(前年比9.1%減)で、依然として高い水準で推移しており、防犯対策には相当の注意が必要です。
   

2.邦人犯罪被害の状況
      当館管轄内における2015年第1四半期中(1~3月)中に発生した邦人被害にかかる一般犯罪ついては、
   
   車上狙い 2件
    スリ 2件
    置き引き 1件
   ひったくり 1件
   詐欺容疑  1件

の計7件を認知致しております。
  このうち、いくつかの事例についてご紹介致します。
 
車上狙い(ペナン州バヤン・レパス、クリスタル・ポイント付近の路上)
  1月19日(月)午後8時30分頃から午後9時30頃までの間、2人の邦人男性が、ペナン州バヤン・レパス、クリスタ
ル・ポイント付近の路上に車両を駐車し、飲食に出かけていたところ、何者かに車の窓ガラスを割られ、後部荷室(ハッチバックのカーゴスペース)に置いていたパソコンやデジタルカメラ、パスポート等在中のパソコンバッグ2個を盗まれる被害に遭いました。
      当館では昨年から今年3月にかけて、在外邦人(出張・旅行者を含む。)の方が被害にあう車両狙い被害を計5件認知致しております。うち3件については、パソコンやタブレット端末、携帯電話が被害にあっており、犯人がこれらの機器を対象として、犯行に及んでいる可能性もあります。(マレーシアでは過去に、パソコン等を探知する機器を使用して、パソコン等が積載された車両を選び、犯行を繰り返していた車上狙い犯が検挙されています。)
車を離れるとき、荷物はなるべく車内に残さず、財布やパスポート等の貴重品は必ず携行してください。
   
スリ(路線バス・ラピッドペナン101車内)
  1月9日(金)午後1時30分頃、在留邦人の男性が、バトゥ・フェリンギからコムター行きの路線バス(ラピッドペナン
101)に乗車中、リュックサックを開けられ、中からポーチ1個(パスポート在中)を抜き取られる窃盗被害が発生しました。被害当時、車内は非常に混み合っており、邦人男性は夫人とともに、バス中央付近に立っていました。犯人は、少なくとも2名以上の共犯による犯行である可能性があり、夫人に席を譲ったり、親切を装って油断させ、被害者に殊更に近付いて犯行に及んでいます。また、また、同じ日の午後0時30分頃、別の在留邦人のご夫婦がコムター行きのラピッドペナン101の車内で、ウエストポーチから財布を盗まれる被害に遭われています。
      ここ数年、ラピッドペナン内におけるスリ事案は、邦人被害にかかる事件のうち、最も頻度い多い手口となっています。気付かないうちに複数名に囲まれ、役割分担をした犯人グループが
ガムを擦り付ける、小銭や紙片をわざと落とす、話しかける
      などして、巧妙に注意を惹き、実行犯役がその隙に財布や携帯電話等をバッグやズボンのポケット等から盗み出すことが確認されています。
      路線バス内等において、身体を寄せて密着してくる人物や親しげに話しかけてくる人物に注意していただくと共に、その際には貴重品やバッグ等の管理に気を付けてください。また、バッグ等は常に自分の見える範囲で携行するほか、現金やパスポート等の貴重品は、チャックの付いているポケット等に入れて携行してください。
   
 
3.テロ・爆弾事件発生状況
 
      邦人男性2人を人質に、2億ドル(約236億円)もの身代金を要求したイスラム過激派組織「ISIL」。最初の映像が公開された1月20日以降、2人の開放に向け最大限の努力が尽くされる中、1月25日に湯川遥菜さんが殺害されたとみられる画像が、2月1日にはジャーナリストの後藤健二さんが殺害されたとみられる画像がインターネット上に公開されました。
     今回の事件では、今後も日本人をテロの標的とすると挑戦的で不気味なメッセージが発せされたことで、不安を感じられている方も多いのではないでしょうか。確かにマレーシア国内においてもISILに賛同する一部のマレーシア人等がおり、その影響は少なからず受けていると言わざるを得ません。闇雲に怖がるのではなく、正しい情報を得て、取り得る措置を時々の情勢に応じて講じることが大切です。

(1) マレーシア国内
2014年中、当館管轄内においてテロ・爆弾事件は報告されていませんが、2013年2月下旬以降、マレーシア国内各地で75人のマレーシア人がテロ関連容疑で逮捕され、少なくとも71人のマレーシア人が、ISILの活動に参加すべく、シリア、イラク北部地域へ渡航したと報じられております(2015年3月末現在)。これら逮捕者の中には、ISISへの支持を表明するアルカイーダ系テロ組織ASG(アブサヤフグループ)との関係が指摘されている者もいるほか、マレーシア国内にある外資系のビール工場やパブ、ディスコ等を標的としてテロを計画中であったと供述しているグループがいたことも報じられています。また、これら逮捕者を職業別に見ると、大学生、主婦、建設現場労働者、建築技師、会社役員、料理人、グラフィックデザイナー、政府幹部職員やマレーシア海軍関係者等幅広い業種に及んでいるほか、年齢別に見ても20代から40代と幅広く分布しており、今後も職業や年齢を問わず、イスラム過激派思想に感化されるマレーシア人の拡大を懸念する報道もあります。
また、治安当局により取締り・監視活動の結果、渡航制限が厳しくなると、イスラム過激派思想に傾倒した者が、理想とするイスラム国家を東南アジアに形成すべく、マレーシア国内でテロを敢行する可能性を指摘する専門家もおり、今後とも治安情勢に関する警戒が必要です。

○ その他参考1
2月10日、マレーシア内務相は、ISILがマレーシア華人をはじめとする富裕層を誘拐や銀行強盗を計画しているという情報を入手していると発表しました。

○ その他参考2
2月16日、マレーシア国内の裁判所を対象とした襲撃予告の映像がインターネット上に公開されました。 一方、近年マレーシア国内では、イスラム過激派によるテロ事件は発生しておらず、マレーシア治安当局もISILの活動へ参加を企図するマレーシア人の渡航を未然に阻止したり、東南アジア周辺諸国からの参戦企図者が、マレーシアをトランジットポイントとして利用とすることを防止すべく、取締りと監視活動を強化しており、現時点、テロ事件に関する具体的脅威情報は把握されていません。また、在留邦人の安全確保のため、警戒強化を大使館からマレーシア国家警察にも要請していますので、日本人を狙ったテロ事件が今すぐ発生する情勢にあるとまでは考えておりません。ですから、過度にご心配頂く必要はありませんが、今後の情勢を注視して、不測の事態に備えていくという心構えは、日頃から持って頂くことが大切です。

(2) タイ南部(マレーシアとの国境付近)
  2004年1月以降、マレーシアと国境を接するタイ南部では、イスラム過激派による爆弾事件や襲撃事件等が続発し、6,000人異常が死亡したと報じられています。国境地域の両国国民は頻繁に国境を往来しており、タイ(暫定)政府は、マレーシア国内にイスラム過激派が潜伏している可能性があると指摘しましたが、マレーシア政府はこれを否定しています。これまでマレーシア国内で大半部のイスラム過激派に関係した暴力事件は発生していませんし、ISILとタイ南部のイスラム過激派グループの関連を示す具体的な情報は、把握されておりません。  
しかしタイ南部地域に対しては、外務省危険情報「渡航の延期をお勧めします。」等を継続して発出しており、どのような目的であれ、渡航を延期するようお勧めしているほか、現地に滞在している邦人の方々に対しては、退避の可能性の検討や準備を促しております。詳しくは下記の外務省海外安全ホームページ(危険情報・スポット情報・広域情報)をご覧ください。
http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pcinfectionspothazardinfo.asp?id=007#ad-image-0

4.誘拐・脅迫事件発生状況
          当館管内において、日本人被害の事件は報告されていませんが、在コタキナバル領事事務所管轄のサバ州東海岸部においては、10数年前から身代金目的の拉致・誘拐事件が頻発しているほか、下記のとおり、2013年11月以降、5件の誘拐事件が発生しています。
   
 
・ 2013年11月
・ 2014年4月 
・ 2014年5月
・ 2014年6月
・ 2014年7月
センポルナ近海(ポンポン島)台湾人旅行者2名(内1名射殺)
センポルナ近海(シンガマタ島)中国人旅行者1名、比人従業員1名
ラハ・ダトゥ近海(バイキ島)養魚場マネージャー1名
クナ近郊(サバン村沿岸)養魚場オーナー1名、比人従業員1名
センポルナ近海(マブール島)海上警察官2名(内1名射殺)
   
         各事件には、フィリピン南部に拠点を置く武装集団が関与しているとされ、被害者らは、リゾート施設や養魚場という海上近くで拉致され、ボートを用いてフィリピン南部の島へ連れ去られています。なお、数名の被害者は解放等されたものの、多額の身代金を払ったとの報道もあり、また、犯人の一部が逮捕されたとの報道もありますが、複数の犯行グループがあると言われており、全容の解明、犯行グループの壊滅には至っておりません。
 これら一連の誘拐事件を受け、2014年7月中旬から、サバ州東海域の夜間航行禁止令が継続して発出されており、禁止時間帯に許可無く同海域を航行する船舶は、警察により逮捕された上、罰金又は勾留が課せられます。さらに、サバ州東側の島嶼部及び周辺海域に対しては、外務省危険情報「渡航の延期をお勧めします。」等を継続して発出しており、どのような目的であれ、渡航を延期するようお勧めしているほか、現地に滞在している邦人の方々に対しては、退避の可能性の検討や準備を促しております。詳しくは下記の外務省海外安全ホームページ(危険情報・スポット情報・広域情報)をご覧ください。
http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pcinfectionspothazardinfo.asp?id=017#ad-image-0
   
5.対日感情
           当館管内において、反日行動等は確認されておりませんが、終戦記念行事や中国が主張する尖閣諸島の領有権問題を捉え、一部華人紙が反日的な記事を掲載することがあります。
   
6.日本企業の安全に係わる諸問題
          当館管内において、特に報告されていません。
なお、日系企業対象ではありませんでしたが、マレーシア人の経営する企業を対象に、暴力団のような組織的犯罪集団(ギャング)が、みかじめ料請求等の恐喝事件を引き起こしていると新聞で報じられております。