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海外安全対策情報(平成26年10月~12月)
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1.治安情勢及び一般犯罪の傾向 |
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(1) マレーシア国内における状況
マレーシア国内における2013年中の犯罪発生件数(知能犯罪及び薬物関連犯罪を除く。) は、14万7,062件であり、前年比4.3%減となっているものの、殺人や強盗、強姦事件といった凶悪事件は依然高い水準で推移しております。2013年における日本とマレーシアに おける凶悪犯罪発生率を比較すると殺人事件は約2.8倍、強盗事件で約26倍、強姦事件で約8.2倍とマレーシアの方が非常に高くなっています。
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(2) 当館管轄区域の状況 |
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当館管轄6州における2013年中の犯罪発生総件数は |
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ペナン州 |
7,936件(前年比 5.5%減) |
ケダ州 |
8,636件(前年比 14.5%減) |
ペラ州 |
7,429件(前年比 13.1%減) |
トレンガヌ州 |
3,610件(前年比 3.0%増) |
クランタン州 |
5,737件(前年比 5.2%減) |
ペルリス州 |
831件(前年比 14.7%減) |
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となっています。
警察による継続した犯罪対策(パトロール強化、検問実施等)の強化により、全体的な犯罪統 計数は、大幅に減少しているものの、当館管轄区域における凶悪犯罪の発生状況は、殺人134件(前年比5.6%減)、強盗3、021件(前年比4.3%減)、強姦898件(前年比12.9%減)で、依然として高い水準で推移しており、防犯対策には相当の注意が必要です。
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2.邦人犯罪被害の状況 |
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当館管轄内における2014年第4四半期(10~12月) の邦人犯罪被害については、1件のスリ被害容疑を除き、認知していません。 |
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3.テロ・爆弾事件発生状況 |
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2014年中、当館管轄内においてテロ・爆弾事件は報告されていませんが、2013年2月下旬以降、マレーシア国内各地で51人のマレーシア人がテロ関連容疑で逮捕され、少なくとも50人のマレーシア人が、イスラム国(IS)の活動に参加すべく、シリア、イラク北部地域へ渡航したと報じられております(2014年12月末現在)。これら逮捕者の中には、イラク及びシリアにおいて独自のイスラム国家樹立を宣言する武装組織イスラム国(IS)やイスラム国への支持を表明するアルカイーダ系テロ組織ASG(アブサヤフグループ)との関係が指摘されている者もいるほか、マレーシア国内にある外資系のビール工場やパブ、ディスコ等を標的としてテロを計画中であったと供述しているグループがいたことも報じられています。また、これら逮捕者を職業別に見ると、大学生、主婦、建設現場労働者、建築技師、会社役員、料理人、グラフィックデザイナー、政府幹部職員やマレーシア海軍関係者等幅広い業種に及んでいるほか、年齢別に見ても20代から40代と幅広く分布しており、今後も職業や年齢を問わず、イスラム過激派思想に感化されるマレーシア人の拡大を懸念する報道もあります。
さらに、10月25日、ジハード主義者が運営するウェブサイト上に、サウジアラビア、エジプトを始めとする世界中のイスラム諸国(マレーシアにも言及あり。)のローンウルフに対して、各国に所在するインターナショナルスクールに勤務する欧米人教師を狙った攻撃を扇動する書き込みがなされたことを受け、当館及び米国大使館を始めとする複数の在マレーシアの在外公館から、各自国民に向けた一般的な注意喚起が発出されています。これまで具体的な脅威には接していないものの、引き続き警戒が必要です。
マレーシア治安当局もイスラム国の活動へ参加を企図するマレーシア人の渡航を未然に阻止したり、東南アジア周辺諸国からの参戦企図者が、マレーシアをトランジットポイントとして利用とすることを防止すべく、各種対策を講じていますが、渡航制限が厳しくなると、イスラム過激派思想に傾倒した者が、理想とするイスラム国家を東南アジアに形成すべく、マレーシア国内でテロを敢行する可能性を指摘する専門家もおり、今後とも治安情勢に関する警戒が必要です。
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4.誘拐・脅迫事件発生状況 |
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当館管内において、日本人被害の事件は報告されていませんが、在コタキナバル領事事務所管轄のサバ州東海岸部においては、10数年前から身代金目的の拉致・誘拐事件が頻発しているほか、下記のとおり、2013年11月以降、5件の誘拐事件が発生しています。 |
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・ 2013年11月 |
・ 2014年4月 |
・ 2014年5月 |
・ 2014年6月 |
・ 2014年7月 |
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センポルナ近海(ポンポン島)台湾人旅行者2名(内1名射殺) |
センポルナ近海(シンガマタ島)中国人旅行者1名、比人従業員1名 |
ラハ・ダトゥ近海(バイキ島)養魚場マネージャー1名 |
クナ近郊(サバン村沿岸)養魚場オーナー1名、比人従業員1名 |
センポルナ近海(マブール島)海上警察官2名(内1名射殺) |
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各事件には、フィリピン南部に拠点を置く武装集団が関与しているとされ、被害者らは、リゾート施設や養魚場という海上近くで拉致され、ボートを用いてフィリピン南部の島へ連れ去られています。なお、数名の被害者は解放等されたものの、多額の身代金を払ったとの報道もあり、また、犯人の一部が逮捕されたとの報道もありますが、複数の犯行グループがあると言われており、全容の解明、犯行グループの壊滅には至っておりません。
これら一連の誘拐事件を受け、2014年7月中旬から、サバ州東海域の夜間航行禁止令が継続して発出されており、禁止時間帯に許可無く同海域を航行する船舶は、警察により逮捕された上、罰金又は勾留が課せられます。さらに、サバ州東側の島嶼部及び周辺海域に対しては、外務省危険情報「渡航の延期をお勧めします。」等を継続して発出しており、どのような目的であれ、渡航を延期するようお勧めしているほか、現地に滞在している邦人の方々に対しては、退避の可能性の検討や準備を促しております。詳しくは外務省海外安全ホームページ(危険情報・スポット情報・広域情報)をご覧ください。 |
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http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pcinfectionspothazardinfo.asp?id=017#ad-image-0 |
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5.対日感情 |
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当館管内において、反日行動等は確認されておりませんが、終戦記念行事や中国が主張する尖閣諸島の領有権問題を捉え、一部華人紙が反日的な記事を掲載することがあります。 |
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6.日本企業の安全に係わる諸問題 |
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当館管内において、特に報告されていません。
なお、日系企業対象ではありませんでしたが、マレーシア人の経営する企業を対象に、暴力団のような組織的犯罪集団(ギャング)が、みかじめ料請求等の恐喝事件を引き起こしていると新聞で報じられております。
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