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海外安全対策情報(平成26年7月~9月)
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1.治安情勢及び一般犯罪の傾向 |
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(1) マレーシア国内における状況
マレーシア国内における2013年中の犯罪発生件数(知能犯罪及び薬物関連犯罪を除く。) は、14万7,062件であり、前年比4.3%減となっているものの、殺人や強盗、強姦事件 といった凶悪事件は依然高い水準で推移しております。2013年における日本とマレーシアに おける凶悪犯罪発生率を比較すると殺人事件は約2.8倍、強盗事件で約26倍、強姦事件で約8.2倍とマレーシアの方が非常に高くなっています。
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(2) 当館管轄区域の状況 |
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当館管轄6州における2013年中の犯罪発生総件数は |
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ペナン州 |
7,936件(前年比 5.5%減) |
ケダ州 |
8,636件(前年比 14.5%減) |
ペラ州 |
7,429件(前年比 13.1%減) |
トレンガヌ州 |
3,610件(前年比 3.0%増) |
クランタン州 |
5,737件(前年比 5.2%減) |
ペルリス州 |
831件(前年比 14.7%減) |
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となっています。
警察による継続した犯罪対策(パトロール強化、検問実施等)の強化により、全体的な犯罪統 計数は、大幅に減少しているものの、当館管轄区域における凶悪犯罪の発生状況は、殺人134 件(前年比5.6%減)、強盗3、021件(前年比4.3%減)、強姦898件(前年比12.9%減)で、依然として高い水準で推移しており、防犯対策には相当の注意が必要です。
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2.邦人犯罪被害の状況 |
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(1) 一般犯罪 |
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当館管轄内における平成26年第3四半期(7~9月)の邦人犯罪被害の認知件数は6件で |
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ひったくり |
1件 |
車上狙い |
2件 |
スリ |
1件 |
つきまとい |
1件 |
詐欺 |
1件 |
について届出を受けております。このうち、いくつかの事例についてご紹介致します。
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○ ひったくり被害(ペナン州ジョージタウン・ニューワールドパーク付近の路上)
9月23日(火)午前6時頃から午前6時半頃までの間、邦人旅行者(男性)がフェリーターミナルからコムター行きの路線バス(ラピッドペナン101)に乗車中、座席に置いていた旅行カバンから財布(パスポート在中)や携帯電話を盗まれる窃盗被害が発生しました。被害当時、乗客の数は少なく、邦人男性は、バス後部の2名がけの窓際席に座り、通路側席にカバンを置いて、うとうとしていたそうです。目を覚ますと、カバンが前席に置かれていたことから、不審に思い、カバンの中を確認したところ、盗難に遭ったことに気付いたそうです。犯人像については不明ですが、被害邦人の方によると、被害の直前まで、ヒジャブ(イスラム教を信仰する女性が頭髪を隠すスカーフのような布)を着用した女性2名が、被害邦人を前後に挟むようにして座って何か話しており、被害に気付いた時には、その女性達の姿が無かったとのことで、当該女性等が犯行に関与していた可能性もあります。
なお、ここ数年、ラピッドペナン内におけるスリ事案は、邦人被害にかかる事件のうち、最も頻度の多い手口となっています。気付かないうちに複数名に囲まれ、役割分担をした犯人グループが
ガムを擦り付ける、小銭や紙片をわざと落とす、話しかける
などして、巧妙に注意を惹き、実行犯役がその隙に財布や携帯電話等をバッグやズボンのポケット等から盗み出すことが確認されています。
路線バス内等において、身体を寄せて密着してくる人物や親しげに話しかけてくる人物に注意していただくと共に、貴重品はチャック付きの収納箇所へ納め、その管理には特段の配慮をお願い致します。
○ 車上狙い被害(クランタン州コタ・バル(クバン・ケリアン)付近)
9月14日(日)午後4時20分頃から午後5時20分頃までの間、旅行中の在留邦人の方が、
クランタン州コタ・バルのクバン・ケリアン付近の道路上の駐車スペースへ車を止めて、買い物に出かけていたところ、車両内に置いていた手提げバッグ(パスポートや貴金属、洋服類在中)を盗まれる被害に遭いました。被害者の方によると、買い物先から見える場所(人や車の往来も頻繁にあり。)に車を駐車していたそうで、駐車していた車には、鍵穴をこじ開けられるなどの被害はないことから、施錠を忘れていた可能性も否定できないとのことです。
当館では昨年、トランク内へ荷物を保管していた邦人の方から、盗難被害の届出を受けています。この事件では、車外から荷物が見えないよう、トランク内に荷物を置いていた訳ですが、犯人はトランクを物理的に破壊することなく、被害品を盗み取ると、再びトランクを閉じて逃走しています。やむを得ず荷物を置いておく場合でも、車外から荷物が見えないよう工夫をするほか、財布やパスポート等の貴重品は必ず携行してください。
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3.テロ・爆弾事件発生状況 |
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平成26年第2四半期中、当館管轄内においてテロ・爆弾事件は報告されていませんが、本年4月下旬以降、マレーシア国内各地で22人のマレーシア人がテロ関連容疑で逮捕されております。(平成26年9月末現在)これら逮捕者は、イラク及びシリアにおいて独自のイスラム国家樹立を宣言する武装組織イスラム国(IS)やイスラム国への支持を表明するアルカイーダ系テロ組織ASG(アブサヤフグループ)との関係が指摘されているほか、リクルート、訓練、武器庫担当等、役割分担が行われていたことが報道されています。また、これら逮捕者の中には、マレーシア国内にある外資系のビール工場やパブ、ディスコ等を標的としてテロを計画中であったと供述しているグループがいたことも報じられております。この他、30人を超えるマレーシア人が、イスラム国(IS)の活動に参加すべく、シリア、イラク北部地域へ渡航したと言われております。
マレーシア治安当局もイスラム国の活動へ参加を企図するマレーシア人の渡航を未然に阻止したり、東南アジア周辺諸国からの参戦企図者がマレーシアをトランジットポイントとして利用とすることを防止すべく、各種対策を講じていますが、渡航制限が厳しくなると、イスラム過激派思想に傾倒した者が、理想とするイスラム国家を東南アジアに形成すべく、マレーシア国内でテロを敢行する可能性を指摘する専門家もおり、今後とも治安情勢に関する警戒が必要です。
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4.誘拐・脅迫事件発生状況 |
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当館管内において、日本人被害の事件は報告されていません。 |
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5.対日感情 |
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当館管内において、反日行動等は確認されておりませんが、終戦記念行事や中国が主張する尖閣諸島の領有権問題を捉え、一部華人紙が反日的な記事を掲載することがあります。 |
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6.日本企業の安全に係わる諸問題 |
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当館管内において、特に報告されていません。
なお、日系企業対象ではありませんでしたが、マレーシア人の経営する企業を対象に、暴力団のような組織的犯罪集団(ギャング)が、みかじめ料請求等の恐喝事件を引き起こしていると新聞で報じられております。
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