在ペナン総領事館のホームページにようこそいらっしゃいました。
私は,5月に着任しました総領事の鹿屋(かのや)と申します。これまで,ロシアをはじめとする欧州や,米国,中東には勤務経験がありますが,マレーシアばかりでなくアジアでの勤務は初めてです。
私がペナンに赴任して驚いたことはたくさんありますが,中でも国連の世界文化遺産に登録されているジョージタウンの歴史的な街並みの面白さです。今年は登録後10年の節目に当たる年で様々なイベントが開催されていますが,ペナン州政府とペナン市民の努力によって,それまでは歴史があっても荒れた状態だった街並みを,商店やカフェやホテルとして再利用することにより,往時の面影を残しながら輝きを取り戻してきています。また,町の随所に制作されたストリートアートも現代的なアクセントとなり,観光に来た人々を惹き付けています。
世界遺産地区には,数多くの宗教建築が存在しますが,マレーシア連邦の宗教であるイスラム教のモスクに加えて,仏教寺院やヒンドゥー教の寺院,キリスト教会など数えたらキリがありません。これらの建物がそれぞれの個性を主張しながら共存しているのも非常に興味深い点の一つです。
もうひとつ驚いたこととして,ペナンはマレーシア有数の観光地であると同時に,島内とマレー半島側に大きな工場が多数あることです。ペナンはリゾート地という先入観を持っていましたので,実は赴任するまではあまり工業が盛んな地域という印象はありませんでした。日本企業の工場も非常に多く,マレーシアの従業員とともに数多くの日本の方々が働いています。
総領事館の業務はいろいろありますが,最も重要な仕事は,日本の皆様の安全を守り,安心して,仕事や学業,生活や旅行などができるように最善を尽くすことです。平常な時は平和で安全に見えても,海外ではいつ何事が起きるか予想がつきませんので,常日頃から万一に備えて対策を講じることが重要です。また,当館はペナン州に加えて,ペラ,ケダ,ペルリス,クランタン,トレンガヌの北部マレーシア6州を管轄しておりますので,追々これらの州にも出張したいと考えております。
マレーシアは第二次大戦後に独立した国ですが,昨年日本との外交関係60周年を迎え,また,本年5月に行われた総選挙により,60年間続いた政権が交代するという大きな節目を迎えております。第7代首相として返り咲いたマハティール首相の政権の下,ペナン州は連邦政府との所謂「ねじれ」が解消したこともあり,これまでの長期間にわたるペナンと日本の強い絆をさらに強化すべく,経済的にも文化的にも日本との関係がより深まるように努力していく所存です。
在ペナン総領事
鹿屋 真一郎
平成30年8月 |