鹿屋総領事からのご挨拶

令和3年1月5日

2021年1月

ペナンおよび北部マレーシアにお住まいの皆様あけましておめでとうございます。在ペナン総領事の鹿屋です。
2020年は新型コロナウイルス蔓延のせいで、大変な1年となってしまいました。
今年は各国でワクチン接種も始まり、また、治療薬の開発も急ピッチですすめられていると聞いています。
一方で、感染力が強化された変異種とされるウイルスも各地で発見され新たな脅威となっています。このため、一旦緩和されつつあった各国の入国規制も再び強化されつつあります。
 
マレーシアでもRMCO(回復のための活動制限令)が3月末まで延長されました。昨年の段階から延長は想定内のものでしたが、決め手となったのは、特に年末に近くなっての感染者の急増だったようです。
 
中国で始まった新型コロナウイルスの感染被害が、徐々に世界へ拡大していた昨年1月から2月にかけて、ペナンではまだ中国旧正月やタイプーサムの各種行事は例年通り実施されました。しかし、3月18日からのロックダウンは、16日の公表後たった1日の猶予で開始され、人々の生活、特にペナンにおいては工場での生産活動や観光産業に多大な影響を与えました。その後は、MCO(活動制限令)は何度か延長され、いったんは沈静化したと思われた感染者も年末に掛けて増加したのは皆様ご承知の通りです。
 
1月3日にNHKの番組に出演されたイタリア在住の小説家塩野七生氏のことばで「新型コロナウイルスの猛威は階段の踊り場である。「踊り場」は階段を上るときにどうしても通る必要が生じ、上昇は止まるが、向きを変え、足を休め、体力回復を図るという重要な役割がある」というものがありました。
中世のヨーロッパでは、何度となくパンデミックに襲われ、人々はロックダウンやその緩和を繰り返し、何とかしのいできたという歴史があります。その際も交易で栄えた都市国家であったベネチアはパンデミックの最中でも、城壁が無かったこともありますが、交易を止めると言うことは都市の死を意味するので、ロックダウンはしなかったとのことです。
感染防止のための強制的なロックダウンと経済の活性化は、常に利害が対立します。ベネチアとは異なりますが、ペナンのように工業と観光を主産業とする町ではやはりロックダウンは向いていないのかもしれません。
 
一方で、私のオフィスからはペナン第1に加え第2ブリッジを見ることが出来ますが、コロナ以前は第2ブリッジが見える日は今ほど多くありませんでした。しかし、昨年3月のMCO発令後は大雨でもない限り毎日第2ブリッジを見ることが出来ます。これは、クルマや飛行機の交通量削減で排気ガスが減少し、間違いなく空気がきれいになったからだと思います。コロナの影響で、たまには良いこともあるようです。
 
2021年は、間違いなく新型コロナウイルスからの回復の年になります。回復のスピードは国や都市により違いはありますが、総領事として、皆様のご健康とご活躍をこころからお祈りいたします。また、新型コロナウイルス関連で皆様に関連する最新情報を常に伝えられるよう、努力していきます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
 
ビデオ
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2019年5月

この度、日本では「平成」から「令和」への御代替りがございました。
これは、万葉集にある言葉を引用したもので、「令和」には、人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つ、という意味が込められております。

毎年恒例の7月のペナン盆踊り大会は、本年は20日に開催予定ですが、さらに内容を盛りだくさんに、ペナン州政府観光局の協力を得て、着々と準備を進めております。皆様におかれましても、マレーシア・ペナンでの夏休みの思い出に、また、邦人の皆様とマレーシアの皆様が、日本のお祭りイベントを通じて親睦を深める絶好の機会です。多くの方々のご参加をペナンにてお待ちしております。

総領事館の業務で最も重要な仕事は、日本の皆様の安全を守り、安心して仕事や学業、生活や旅行などができるように最善を尽くすことです。ペナンはマレーシア有数の観光地であると同時に,島内とマレー半島側に大きな工場が多数あります。日本企業の工場も非常に多く、マレーシアの従業員とともに数多くの日本の方々が働いています。当館はペナン州に加えて、ペラ、ケダ、ペルリス、クランタン、トレンガヌの北部マレーシア6州を管轄しておりますので、当管轄地でお困りの事がございましたら在ペナン日本国総領事館にご相談ください。

マレーシアは昨年5月の初の政権交代という大きな変革の中、様々な政策の変更や行政改革が進められる一方で、邦人の皆様の滞在査証手続きや運転免許証書き換え等の行政手続きが滞る状態が続いているようです。当館は、総領事館の業務である邦人の皆様の当地での滞在・活動支援の一環として、こうした事態が少しでも改善できるよう、引き続き行政当局に働きかけて参ります。

令和元年5月 在ペナン総領事 鹿屋真一郎

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2018年8月

在ペナン総領事館のホームページにようこそいらっしゃいました。


私は,2018年5月に着任しました総領事の鹿屋(かのや)と申します。これまで,ロシアをはじめとする欧州や,米国,中東には勤務経験がありますが,マレーシアばかりでなくアジアでの勤務は初めてです。

私がペナンに赴任して驚いたことはたくさんありますが,中でも国連の世界文化遺産に登録されているジョージタウンの歴史的な街並みの面白さです。今年は登録後10年の節目に当たる年で様々なイベントが開催されていますが,ペナン州政府とペナン市民の努力によって,それまでは歴史があっても荒れた状態だった街並みを,商店やカフェやホテルとして再利用することにより,往時の面影を残しながら輝きを取り戻してきています。また,町の随所に制作されたストリートアートも現代的なアクセントとなり,観光に来た人々を惹き付けています。
世界遺産地区には,数多くの宗教建築が存在しますが,マレーシア連邦の宗教であるイスラム教のモスクに加えて,仏教寺院やヒンドゥー教の寺院,キリスト教会など数えたらキリがありません。これらの建物がそれぞれの個性を主張しながら共存しているのも非常に興味深い点の一つです。

もうひとつ驚いたこととして,ペナンはマレーシア有数の観光地であると同時に,島内とマレー半島側に大きな工場が多数あることです。ペナンはリゾート地という先入観を持っていましたので,実は赴任するまではあまり工業が盛んな地域という印象はありませんでした。日本企業の工場も非常に多く,マレーシアの従業員とともに数多くの日本の方々が働いています。
総領事館の業務はいろいろありますが,最も重要な仕事は,日本の皆様の安全を守り,安心して,仕事や学業,生活や旅行などができるように最善を尽くすことです。平常な時は平和で安全に見えても,海外ではいつ何事が起きるか予想がつきませんので,常日頃から万一に備えて対策を講じることが重要です。また,当館はペナン州に加えて,ペラ,ケダ,ペルリス,クランタン,トレンガヌの北部マレーシア6州を管轄しておりますので,追々これらの州にも出張したいと考えております。

マレーシアは第二次大戦後に独立した国ですが,昨年日本との外交関係60周年を迎え,また,本年5月に行われた総選挙により,60年間続いた政権が交代するという大きな節目を迎えております。第7代首相として返り咲いたマハティール首相の政権の下,ペナン州は連邦政府との所謂「ねじれ」が解消したこともあり,これまでの長期間にわたるペナンと日本の強い絆をさらに強化すべく,経済的にも文化的にも日本との関係がより深まるように努力していく所存です。


平成30年8月          在ペナン総領事   鹿屋真一郎